top of page

2024年9月1日説教要旨「何から自由になるのか」

  • masuda4422020
  • 2024年8月31日
  • 読了時間: 3分

ヨハネによる福音書 8章31~36節 桝田翔希牧師


「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。(32節)」という聖句は有名なものの一つかと思います。短い文ながらどこか納得できるような言葉ですが、真理はなかなか難しいものかと思います。キリスト教は長い歴史の中で、聖書の言葉を捻じ曲げて使うということもありました。一つの例では、アメリカにおいて黒人を奴隷にするということを肯定するために聖書が使われたことがありました。「黒人は無能であるから、この世で白人の手ほどきによって従順に働けば、必ず天国で救われるという考えを押し付け、奴隷としての身分を受け入れさせようとした(山下壮起『ヒップホップ・レザレクション ラップ・ミュージックとキリスト教』2019年、p.60)」のでした。聖書を読みながら、差別をすることがあるのです。

この聖書箇所は47節までが大きなまとまりとなっていますが、その中で大きく語られていることをまとめると、「①真理」と「②信仰」ということになります。まず信仰ということについて考えると、ヨハネによる福音書はネガティブな意味で信仰を語るということがよくあります。例えば十字架の死から復活したイエスを実際に見ないと信じないという描写がされているのもヨハネによる福音書ですが、「疑う肉の信仰」というようなことがヨハネによる福音書には書かれる場合があります。その中で「真理」が語られています。真理とはヨハネによる福音書がよく用いる単語ですが、「軽信」と並べてここでは語られているのです。人間が追い求める真理は、本当だと思っても違ったり簡単なものではないのではないということではないでしょうか。

聖書を読めば真理を知ることができるのかと言えば、必ずしもそうではないようです。聖書を詳しく読んでいると、どうやら文字を読めるエリートが力を持ち始めて、文字化されていない口伝の教えや、口伝の活動をしている人に対してあまりよく思っていなかったのではないかと推測できる箇所があります。テモテの手紙14章7節では「俗悪で愚にもつかない作り話は退けなさい。信心のために自分を鍛えなさい。」ということが書かれています。「俗悪で愚にもつかない作り話」と新共同訳では翻訳されていますが、「女性がするような作り話」というようにも訳すことができます。ここには、文字が扱える一部のエリート男性が教会の主権を握った過程を読み解くことができます。時代が変わる中で、ようやく見つけられる人権というものもあります。そのことに照らし合わせて聖書は読み続けられてきました。私たちは連綿と続くそのようなキリスト教の歴史の今を生き、真理を探し続ける存在なのだと思います。

 
 
 

最新記事

すべて表示
2025年6月1日 復活節第7主日礼拝説教要旨「ここにはいない」

ルカによる福音書24章44~53節 ペンテコステは、言語や民族の違いを超えてキリスト教が広まっていったという出来事ですが、イエスが生きた時代のイスラエルはローマに支配されており、誰が仲間で同じ民族なのかということは大きな問題でした。「民族・国民(ネーション)」の問題が大きくあったのです。現代に生きる私たちは急速なグローバル化の中にあって、社会の変化を身近に感じるようになりました。私たちは「民族・国

 
 
 
2025年5月25日 復活節第6主日礼拝説教要旨「イエスの祈り」

マタイによる福音書6章1~15節 先日行われた教区総会では、上程された議案がすべて可決されましたが、法定議案の他に可決された大きなものとして教区互助に関連した新たな教区負担金の算定基準が2026年度から行われるということが可決されました。なぜこのような議案が出されたのかというと、支えあうということが教区として寄り集まる中では生命線であるという理解をしたからです。私たちの尼崎教会は会衆派の教会であり

 
 
 
2025年5月18日 復活節第5主日礼拝説教要旨「神が行う業」

ヨハネによる福音書14章1~11節 以前、釜ヶ崎にあるシェルターと呼ばれる施設を見学しました。シェルターとは臨時夜間緊急避難所とよばれるもので、野宿を余儀なくされる人々の寝る場所を用意するということを大阪市からの付託事業として行われています。多い時で1,000人が1日で利用していたそうですが、今でも200人ほどの利用が1日であるのだそうです。釜ヶ崎では野宿する人が減ったと言われていますが、実際

 
 
 

コメント


  • Facebook

©2021 by 日本基督教団 尼崎教会

bottom of page