top of page

2023年6月11日説教要旨「とう うっさ」

  • masuda4422020
  • 2023年6月10日
  • 読了時間: 3分

ルカによる福音書 14章15~24節 桝田翔希牧師


子どもの日・花の日を迎え、尼崎教会では関係施設である「みどり野保育園」の創立記念も覚えようとしています。保育園では毎週金曜に合同礼拝が行われており、昨年度からメッセージを私が担当しているのですが、いつも準備に苦労しています。絵本を使って聖書のメッセージを解釈することが多いのですが、先日『かえるのつなひき』という絵本に出会いました。この絵本は沖縄生まれの版画家である儀間比呂志(ぎまひろし)さんの作品で、ところどころに沖縄の言葉が使われ、リズミカルな絵本となっています。かえるがだい活躍する物語なのですが、最後は「とう うっさ」と締めくくられており、注で「はい これだけ」と訳が付けられています。少々、唐突に物語が終わるような気もしたのですが、「めでたし、めでたし」というような意味なのかなと思います。私たちは聖書を読みながら「めでたし、めでたし」と思うことがあるでしょうか。

今回の箇所はルカによる福音書において、神の国の食事に関するたとえ話が語られている箇所です。ある主人が盛大な食事会を企画しており、準備ができたのであらかじめ招待していた人たちに僕を送って食事会の始まりを知らせます。しかし、誘われていた人々は一斉に断りました。たとえ話として三つの断りの理由が書かれており、「畑を買った・牛を買った・結婚したばかり」となっています。もっともらしい理由にも思えますが、あらかじめ招待された時には予想できそうな理由です。また、聖書学者の山口里子さんはこれらの理由が「ウソとわかるふざけた言いわけ(山口里子『イエスの譬え話2』2017年、p.101)」と指摘しています。畑を買うならばあらかじめ土地を調べることでしょうし、牛でも同様です。また当時の結婚というのは非常に長いプロセスを経たことでしょうし、たとえ話ですから一般的な状況を仮定しているはずであり、結婚したから食事会に行けないなど、誘われた時にすでに分かっている話です。ここで主人は、食事会をやめるのではなく、僕に「急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。(21節)」と命令したのでした。

体の不自由を抱えた人たちにとって、当時の世界は今以上に生きづらさを抱いたことでしょう。食べるにも困ったことでしょう。主人の当初の意図とは違いますが、喜びにあふれた食事会になったことでしょう。「めでたし、めでたし(同上)」です。私たちも当初の意図とは違う結果をよく経験します。どうすれば「めでたし、めでたし」ということができるのでしょうか。社会の中の辛さに注目して、歩み続けるところに、神の国の食卓の写しがあると信じたいと思います。そこで神の国を思い浮かべて、「とう うっさ」と言いたいと思うのです。「はい、これだけ」。

 
 
 

最新記事

すべて表示
2025年6月1日 復活節第7主日礼拝説教要旨「ここにはいない」

ルカによる福音書24章44~53節 ペンテコステは、言語や民族の違いを超えてキリスト教が広まっていったという出来事ですが、イエスが生きた時代のイスラエルはローマに支配されており、誰が仲間で同じ民族なのかということは大きな問題でした。「民族・国民(ネーション)」の問題が大きくあったのです。現代に生きる私たちは急速なグローバル化の中にあって、社会の変化を身近に感じるようになりました。私たちは「民族・国

 
 
 
2025年5月25日 復活節第6主日礼拝説教要旨「イエスの祈り」

マタイによる福音書6章1~15節 先日行われた教区総会では、上程された議案がすべて可決されましたが、法定議案の他に可決された大きなものとして教区互助に関連した新たな教区負担金の算定基準が2026年度から行われるということが可決されました。なぜこのような議案が出されたのかというと、支えあうということが教区として寄り集まる中では生命線であるという理解をしたからです。私たちの尼崎教会は会衆派の教会であり

 
 
 
2025年5月18日 復活節第5主日礼拝説教要旨「神が行う業」

ヨハネによる福音書14章1~11節 以前、釜ヶ崎にあるシェルターと呼ばれる施設を見学しました。シェルターとは臨時夜間緊急避難所とよばれるもので、野宿を余儀なくされる人々の寝る場所を用意するということを大阪市からの付託事業として行われています。多い時で1,000人が1日で利用していたそうですが、今でも200人ほどの利用が1日であるのだそうです。釜ヶ崎では野宿する人が減ったと言われていますが、実際

 
 
 

コメント


  • Facebook

©2021 by 日本基督教団 尼崎教会

bottom of page