top of page

2021年10月3日説教要旨「かたくなな心」

  • masuda4422020
  • 2021年10月2日
  • 読了時間: 2分

マタイによる福音書 21章28~32節 桝田翔希牧師

言葉があふれる現代にあって、どこか言葉が持つ力が弱くなっているように感じます。しかし、その中でも政治家が言っていることは特に信用できない気分がします。疑いすぎることはよくないですが、しっくりこないというようなものでしょうか。一方で私たちも、言っていることと行動が伴っていないということがよくあり、反省させられるものでもあります。

本日の聖書個所では、親からぶどう園で働くようにと言われた二人の兄弟が登場します。兄は言われたことを拒否しますが、そのあとに後悔してぶどう園で働きます。弟は言われたことを肯定しますが、働きにはいきませんでした。この話では兄のほうが神の国に近いのだといわれています。このたとえ話は律法学者や祭司長たちに向けて批判的に語られています。律法学者たちは、言うならば聖書の専門家であり、言葉の専門家でした。政治にも関与していたことでしょうし、安定した立場にある人が多くいたことでしょう。すなわち、このたとえ話の中でいえばいい返事をして働かなかった、言葉だけだった弟と律法学者が並べられているのです。一方で律法学者たちが蔑んで「地の民」と呼んでいた人たちのほうが神の国の視点・イエスの視点では誠実だというのです。

林竹二という教育哲学者は「学んだことの唯一の証は変わることである(日本基督教団部落解放センター『人間に光あれ部落解放へのメッセージ』2014年、犬養光博「宗教と部落差別」)」と語られたそうです。私たちは日々いろいろな学びをします。時には痛みを伴う経験を聴き教えられることもあります。その時は心が動くものですが、私たちはどれだけ生き方が変わっているのでしょうか。私たちの心は時としてかたくななものです。しかし、その固定概念を突き動かそうと、イエスの言葉は発せられたのではないでしょうか。

 
 
 

最新記事

すべて表示
2025年4月20日 復活節第1主日礼拝説教要旨「ギャングの楽園」

桝田翔希牧師 ルカによる福音書23章39~43節   イースターという出来事は、長い時間を経て「きょう」まで人間に大きな問いかけをするものです。神学者のC. S. ソンは十字架の物語について、「社会的、政治的、経済的、文化的、かつ宗教的に抑圧され、搾取され、不利益な処遇を受...

 
 
 
2025年5月4日説教要旨「昔話に聞く」

マタイによる福音書 12章38~42節 桝田翔希牧師 釜ヶ崎は大昔、海に面していたという話があります。地形の変化や埋め立てなどで、今は海から遠く離れた土地ですが、「釜ヶ崎」という地名そのものが、昔は海に面していたという証拠で、他にも近辺には「浜」や「舟」など水に関わる地名が...

 
 
 
2025年4月27日説教要旨「真実の形」

マタイによる福音書 28章11~15節 桝田翔希牧師 イースターという出来事は、長い時間を経て「きょう」まで人間に大きな問いかけをするものです。神学者のC. S. ソンは十字架の物語について、「社会的、政治的、経済的、文化的、かつ宗教的に抑圧され、搾取され、不利益な処遇を受...

 
 
 

Comentários


  • Facebook

©2021 by 日本基督教団 尼崎教会

bottom of page